人の形をしている黒い影には白い形の目と口がついていた。


「はっ、下級レベルの奴が俺を殺すだと?」


余程おかしいのか額に手を当てて笑い出した男。


「笑わせる。来いよゴミ虫」

《アアアァァァッ!!》


挑発に簡単に乗った影は男目掛けて飛びかかった。


「チャージマックス、目標ロックオン」


男の持っていた銃が言葉に反応するかのように、青白い光が銃口に集まっていく。


「発射」


影との距離が数メートルに迫った瞬間、引き金を引いて一発だけ撃った。
弾ではない青色の光の弾が影の頭に見事貫通した。


《グアァァァ!!》


影は撃たれた頭を抱えて断末魔を上げた。
苦しげな声に耳を塞ぎたくなる。


「任務完了」


男は目を細めて背中を向けると、影は中から光放って砂のように塵になり消え去った。

持っていた銃を腰のポケットにしまうと、男は地面に倒れている少女を抱きかかえて夜の闇へと姿を消した。