――次の日の夜。
新条は約束通り城にやってきた。
「よく来たわね新条。こっちよ、ついてらっしゃい」
私はそう言うと新条を道場まで案内をした。
回りにはたくさんの使用人。私を守るためにいるようだ。
「なぁ姫様〜手加減とかナシでいいよな〜?」
新条は軽々しい口調で聞いてくる。
「おのれ、貴様…!!姫様に向かって…」
市之助が新条に手を挙げようとした。
すかさず私はそれを止める
「やめなさい、市之助。かまわなくていいわ。そんな奴ほっときなさい」
「は、はい…」
市之助は静かに返事をした
「新条、あなたはここで着替えなさい。私はあなたの着替えが終わったらここに来るから」
それだけ言うと私は自分の部屋に戻ろうとした。
しかし――
「待ってよ姫様」
新条がイキナリ私の腕を掴んだ。