「……標的は分かったわね…悠仁…か…あたしでも知ってるわよ」



「ほんと!?海」



「えぇ。新条悠仁…悪党の世界じゃ知らない者はいないくらいかなり殺り手の侍よ…新条の獲物にされたらそこで人生おしまいよ…」


海は腕を組ながら難しい顔をして言った。




「……その…悠仁は今どこにいるんだ?」



空が尋ねる。



「それは私もよく分からないわ…もしかしたら隠れ家にはいないかもしれないし…」



「――悠仁様!!」



悠仁!?



私達は息を殺しながらそちらを見た。



「なんだ、美紅……」



「お願いします…もう一度だけ…抱いてください…」


「お前にもう用はない。とっとと失せろ」



「でも私…っ悠仁様じゃないと…」



「お前とは一晩だけという契約のはずだ。早く消えろ」



「な…っなんつー話してんだよ…悠仁ってやつ、ヤリチンか?(笑)」



空が小さな声で言う。



「サイテーね…あの男…海!!空!!行きましょう!!」



「ちょっ…桜!!」



もう海の声は聞こえなかった。



ただ、飛び出していってアイツの胸ぐらを掴んでいた――…