「――海様…本当に大丈夫なんでしょうか……悪党に乗り込むなんて…」



「あら、なんで?あなたも別に反対ではないんでしょ?あ、それとも愛しの桜チャンが危険な目に遇わせたくないからとか?」



「やめてください…俺は…」


「分かってるわ。でもね、市之助くん。桜のことは諦めたほうがいいわよ?」



「は…?と言いますと…?」


「あの子、彼がいるみたいでね〜名前は秘密だけど」


「そ…う…なんですか…分かりました。お休みなさいませ…」



市之助は棒読みでそう言うと部屋から出た。



「よかったわぁ〜今日、桜の家に泊まって…市之助ともお話できたし…ね…」



海はボソッと呟いた――