「――忍。お手合わせ願えるかしら?」



私は刀を鞘から抜くと忍に言った


「――喜んで」



「桜……っ!!」



――今私は、“姫'じゃない。



1人の剣士だ。



「あぁ、手を抜く必要はないわ。剣士として手を抜いて戦うなんて恥よ」



「――承知しました」



忍はニヤッと笑った。



「――さぁかかってきなさい!!」



私達はザッ!!と距離を取った。



いつも以上に緊迫感を感じる。



私はいつも以上に気持ちを集中させた。



「はぁーっ!!」



忍が刀を振りかざす。



――甘いわね



ガキィンッ!!



「……っ…」



忍はとても悔しそうな顔をする。


予想以上に私が力強いから手こずってるのかしら?