「さ、桜…やめろ…逃げるんだ…そいつはかなりの剣の腕だ…きっと姫だろうとなんだろうと命令と聞けば構わず斬るような…ヤツだから…」
「空……」
空は倒れたまま、消えそうな声で私に訴える。
空の手当てもしないと…!!
傷口に菌でも入ったら剣が出来なくなってしまったりするかもしれない…
コイツが大人しく去ってくれる訳がない。
きっとついでに私のことも斬ってから連れ戻すつもりなんだろう。
でも私はそんなことさせない。
斬らせないし、斬られるつもりもない。
なら方法は1つしかない。
「――ごめんね、空。ちょっと待ってて」
私は空の腰に差してある刀を取った。
「やめろ桜!!そいつは…俺以上に強い…!!危険だ…やめるんだ…!!逃げろ、桜……!!」
空は必死に大声で私に訴える。