「さ、座って座って!!冷めないうちにいただきましょ♪」



お姉さんは私達に手招きをした。


「ほら桜、座れよ」



空は座ると、隣をポンポンと叩いた。



「あ、うん。ありがと!!」



私はちょこんと空の隣に座った。


「好きなの食べてね♪」



お姉さんはテーブルに置かれたごちそうを指差した。



「あっ、はい。ありがとうございます!!」



すごいごちそう……



それに



誰かと一緒に夕飯を食べるなんて何年ぶりくらいだろう



父とは仲が良くなかったし
母はいないし兄弟もいないから



一緒に食べる人なんていなかったから…



「あ、ごめん俺とちょっと手洗い行ってくるわ」



空は立ち上がりそう言って部屋を出た。



お姉さん2人きり。
ちょっと気まずい…



「桜ちゃん、空のことよろしくね」


「えっ?」



お姉さんがふいにそう言ってきたから私は唐突に声を出してしまった。