「確か将軍の娘様が剣術にとても優れてるって聞いたことがあるわね〜!!それにすごく美人みたいだし会ってみたいわ♪」
「………」
剣術はまだ得意だけど…
美人!?
なんつー噂が!!
「姉ちゃん、あのさ…」
「私なんです」
「えっ…?」
「桜!?」
「――いいの、空。空のご家族に嘘はつきたくないし。」
「……桜ちゃん?」
「お姉さん。私、実は江戸の姫なんです。次期将軍です」
「…………」
ちょっとの間、沈黙が続いた。
どんなに驚かれようと私は江戸の姫だ。紛れもない真実。
「――すごいわね!!桜ちゃん」
「えっ……」
「だってお姫様でしょう!?すごいじゃな〜い!!だからこーんなに可愛かったのね♪」
空のお姉さんは少しの戸惑いもなく私に接してくれた。