「ここだよ、俺の家」



「わぁ……」



私は思わず声を上げた。



大きくて立派なお家ね…



きっとこの辺じゃあ大地主か何かなんじゃないかしら。



空は私を連れ、玄関の戸を開けた


「ただいまー!!誰かいる?」



すると奥から愛想の良いおばさんが出てきた。



「あらっ…ぼっちゃまじゃないですか!!どうしたんですか急に…」


「文(ふみ)さん、久しぶり!!ちょっと色々あって帰って来たんだ。あのさ、姉ちゃんいる?」



「そうなんですか。優お嬢様なら奥にいらっしゃいますよ。あら…?お隣の娘さんは?」



「あっ…えっと…」



「この子は久喜桜。江戸で知り合ったんだ」



空はサラッと私を紹介した。



「そうなんですか、ようこそいらっしゃいました桜さん!!さ、ぼっちゃまも中へ」



「あぁ、じゃあここから先は俺が連れてくから」



「かしこまりました」



おばさんは柔らかく返事をするとまた奥へ戻っていった。