「――空、ちょっと下がって」



「えっ?」



私は腰に差してあった刀を取り出した。



市之助のやつ…



これ、かなり極上の刀じゃない…新撰組・沖田総司が使っていたものと型が似てる。
きっとかなりいい切れ味ね。
私は思いっきり刀を振りかざした


「――はぁっ!!」



バキンッ!!



老化が進んでもろくなった鉄格子は簡単に崩れた。



「――空っ!!早く!!」



私は空の手を引くと全力で走り出した。



「――何事だっ」



後ろから見張りをしていた使用人が走ってくる。



「待てーー!!!」



早く逃げなきゃ



早くしなきゃ今度こそ



二度と空に会えなくなってしまう――…