――その日の夜。
私はそっと部屋の外を見回した。
――誰もいない。
今がチャンス…!!
部屋から出ようとした時、後ろから肩を叩かれた。
「姫様っ!!」
振り替えるとそこにいたのは市之助だった。
「市之助…どうしてここに…!?」
「ラッキーなことに梅の間での姫様の御用も任せてもらえることができたんですっ!!」
「そうなのっ…よかった…市之助で」
私はホッと胸を撫で下ろした。
「ありがとうございます!!これから水野の所へ行かれるのですか?」
市之助は小さな声で聞いてきた。
「あ、うん…」
私は小さく頷いた。
「じゃあこれを持っていって下さい!!」
市之助は腰から刀を抜いた