「それは…姫様の為にもお教えすることはできません…」
「は…?何言ってるの!?」
「姫様……あなたは江戸の姫…次期将軍というお立場のお方なのです。そんな名誉あるお方が城の使用人と恋をするなんてそんな…」
「将軍とか名誉とかそんなのどうでもいい!!」
「姫様っ…」
「確かに…私江戸の姫だし次期将軍よ。でもね、空は…そんなこと関係なく私と一緒にいてくれた…愛してくれたの…!!」
私は目に涙を溜めながら必死に訴えた。
別に他の使用人に分かって欲しいなんて思ってない。
どんなに父や回りが反対しようが、私は…ただ空を思う。
かけがえのない恋だから。
全てを賭けた恋だから―…