「彩は江戸に何をしに来たの?」
私は率直な疑問をぶつけてみた。江戸は大きな町だし観光か何かかな?
「実は私…好きな人がいてね…」
「好きな…人…?」
「えぇ。彼とはずっと前から幼なじみだったんだけど彼が江戸に行ってしまってからもうずっと会ってなくて…気持ちも伝えられないまま離れてしまったの」
その時の彩の表情は悲しそうで…
彩の気持ちがとても伝わってきた。
「その彼、名前はなんて言うの?名前が分かればその人の家に行けるかもだけど…」
私は横にいる彩を見て言った。
「えっとね…その人…水野空……って言うの。知ってるかしら…?」
……え?
水野…空……?
私は彩の口から放たれた人物の名前に動けなくなった
嘘……
この子は
空のことが好きなの…?