「ありえない…なによその理由……なんでそんなくだらない理由で父様と母様を…」



蘭は憎しみのこもった声で呟いた。



「蘭……」



「なんなのよその新条ってヤツは…知らないわよ私は……なによ私のことが好きって…なんでそんな見知らぬ男に殺されなきゃいけないわけ!?」



蘭は大粒の涙を流しながら言った。



蘭の気持ちが痛いほど伝わってくる。



「蘭……でもどうして新条は蘭を知ってるの…?」



私はうずくまった蘭の背中を擦りながら問いかけた。


それがどうしても気になった。だって蘭は新条を知らないんだよね?



ならどうして新条は蘭のことを…?



「……たぶん…父様と裏取り引きか何かで知り合いで…偶然ウチに来たときに私を見たんだと思う。」



「そ、そうなんだ…」



私はただ、そう呟くしかなかった。