みんなが帰ったあとも俺は歌羽の手を握っていた。

どうして歌羽は俺に言ってくれなかったんだろう?
そしてまだ何の病気か聞いてない。
俺じゃ頼りない?

「・・・幸汰?なんでここにいるの?」
歌羽が目を覚ました。
「なんで言ってくれなかったの?心配かけちゃダメとか思ったわけ?」
「そんなつもりじゃない。あたしのことに巻き込みたくなかったの。」
目に涙をためて訴えてくる。
「何も心配するな。俺の存在を絶対わすれるなよ。」
「うん。ありがとう。」
歌羽は笑ったけど、その笑顔にはもう元気が残ってなかった。