ぐちゃぐちゃにされた髪。
抵抗して殴られた頬。
ボタンの取れたシャツ。
足首にくっきりとついたロープの跡。
こんな格好で電車には乗れず、一人で歩いていた。
隣町から家がある町まで、涙をアスファルトにこぼしながら・・・。
幸汰の家の前で、立ち止まって明かりがついている部屋を見つめた。
幸汰のもとに行きたいけどもうあの関係には戻れないと思うと、気持ちにブレーキがかかる。
「幸汰・・・。会いたいよ・・・。」