「ミツ」


名前を呼ばれ振り返るとパーカーを頭からかけられた


「騒ぎになるから着てろ」



こんな時まで今井さんはしっかりしている



「お前は悪くない。
円香ちゃんのお父さんだってショックで誰かのせいにしないと精神的にキツイんだろ」


多分これは俺を慰めているんだろう


「俺はどうしたらいいんですか?」


「そうだな。円香ちゃんの傍にいることだろ。


あの子は今一人で戦ってんだよ」



今井さんは珍しく笑っていた



「今井さん……笑うとキモいですね」


「うっせぇよ。

クールなイメージが崩れるからな」


少し気が楽になった