“今日はちょっと用事がある” そう返信したら すぐ携帯が震えメールを受信した “用事終わったら電話しろ” いつもの命令形だったことに少しホッとした自分がいた パタンと静かに携帯を閉じ折り畳まれたそれを見つめていたら 「もういいの?」 と杏に声をかけられハッとした 「あ……うん。次の授業何だっけ?」 「芸術だよ」 いつの間にか用意された私の教科書を片手に杏は小さく微笑んだ