そのとき、私の頬に冷たい何かが落ちた。 「あっ、雪……」 どうりで寒いわけだ。 思わず身を縮めていたら、来季が上着を貸してくれた。 「来季、寒くないの?」 来季は余裕そうに頷いて、それから大きなくしゃみをした。 「やっぱり寒いんじゃん」 外は冷え切っていたのに、私の心は、すごくすごく暖かかった。