「!」 私は手を止めて、陽菜を見た。陽菜はただ、笑っていた。 ――キンコンカンコーン―― 「あっ五時間目始まっちゃう。じゃあね」 チャイムの中、陽菜は私を置いて自席に戻っていった。 一人になった私は、目を伏せて何かを考え始めた。 今日は金曜日。デートは明後日だ。