「高、シャー芯ある?0.3なんだけど」
「わり、0.5しかねーや」

けれどそんなことには気付かないまま、私はひたすら高と過ごした。
まるで、これが自分の使命とでも言わんばかりに。

そして、とうとう‥‥。

「紫苑」
「なに?高」

高はわざとらしく目線をそらして、ぶっきらぼうに言った。

「日曜日とか、暇?」


生まれて初めての、デートをすることになった。