思い出すのも嫌。

走ったせいか、呼吸が乱れる。

私は辺りの雪を手にとり、顔に擦り付けた。
それでも、顔の火照りは収まらない。


早く、消えて、早く――



雪の冷たさで赤くなった頬は、まだ熱を持っていた――