「…ありがとう…。
私が小さい頃…
お父さんとお母さんが居て妹も居て、毎日がすごく楽しかった…。

多分すごく幸せだったんだと思うわ…。

でも―――
幸せっていつまでも続くわけじゃないのよね…。
お父さんが仕事をクビになったの…。
私も幼かったから…
毎日お父さんが家に居てくれるんだぁ
って喜んでた…。」


「でも、日に日にお父さんが変わっていくのは目に見えて分かったわ。
毎日お酒を飲んでばかりで…。
私は現実を受け止める事なんて出来なかったわ…。
だって…あんなに優しかったお父さんが…話しかける事すらしてくれないんだも
の…。」


「私は…ただもう一度笑いかけてほしかった…。
だから学校に通うようになったら何でも死に物狂いでやったわ。
運動、勉強…何においても一番をとった…。
でもお父さんは笑いかけてくれないのよ…。
私は考えたわ。
もしかしたら…お父さんは私が一番をとっていることに気づいてないんじゃない
かって…。」


「だから…お酒で酔ってるお父さんに話しかけた…。
でも、酔ってるから聞いてないの…。
どうしても聞いてほしくていろいろしたわ。
そしたら、喧嘩になって…あんなに怒ったお父さんは見たことなくて…
公園で泣いてた…。
そうしてたら……」