「ご機嫌よう王子様。」


どうせ…覚えてなんかいないわ…。


「君は…?」


「王子様、このお嬢さんとお話してみてはいかがですか?」


「また、余計なことを…」


「王子!私は心配なのです。この先、王子が一人寂しく老後を迎えるなんて…想
像しただけで…痛々しい…。」


「おいっ!痛々しいって…しかも何十年先の話だよ…。」


「王子!またそんな言葉遣いを…じいはもう…悲しくて悲しくて…
昔は笑顔で花を摘んできてくれた王子が…
今は鬱陶しい目でしか見てくれません。」


「あのなぁ…じいは過保護過ぎなんだよ…程度ってものを…」


「じいは諦めません!いつかまた王子が笑いかけてくる日が…」


「人の話を聞かねーうちは一生こねぇよ…?」