この日は、『中体連市予選』前に隣町の『学常中学校』と練習試合が組まれていた。


全員でアップを済ませた後、園田コーチの元に集まる。
全員に張りつめた空気が伝わる。


うちの部は試合前に当日のメンバーが発表されていた。自分が選ばれるかどうかはこの時まで分からないのだ。


この時の緊張ぶりにおいては、僕ら『Cチーム』の方が他の者よりも遥かに高いはずだ。


何故ならバスケは試合の際、ベンチに15人入ることができる。
3年生は『Aチーム』から『Cチーム』までちょうど5人ずついる。
そこに来年有望な2年生を数名入れると…


数名がベンチにすら入れなくなるのだ。もちろんユニフォームなど着れない。


そして3日後には最後の大会が控えている。しかも、この体育館で。全校応援。何としてもここでメンバーに入っておきたい。



そんな僕らの緊張をよそにコーチは淡々と『Aチーム、Bチーム』のメンバーの名前を呼んでいく。


2年生の名前が二人入っていた。10…11…12人…。


あと3人…!!