「この度はご入学おめでとうございます…。」


体育館のステージ壇上では校長先生がゴニョゴニョと挨拶を済ませている。


体育館に入ってからというもの、おれは自分の気持ちを抑えることができない。
少し見渡せばすぐそこにリングがある。


『ここから始まるんだ。』


『今日からでもバスケ部に挨拶に行く。→できれば練習に参加させてもらう→先輩にやる気を買われる→他の1年よりかわいがられる→試合に出れる』

『…完璧だ。』


校長の話は欠片も耳に入ってはいなかった。


おれは今すぐにでも部活に行きたくてうずうずしていた。