当日。体操服のまま観客席に立つ。

メンバー落ちした者達は、自分達の分まで頑張ってもらうべく選ばれた者達に声援で力を送るべきだ。


体育会系のくだらないしきたりだ。


観客席は満員で友達があちこちにいる。


消えたい。帰りたい。誰もこっち見るな。絶対話しかけてくるなよ。


心配はいらなかった。誰もこちら側の世界には興味がないらしく、コートで輝く選手達に釘付けだ。
たまにチラッと目が合う気もしたがみんなそれどころではないようで。


それでも、…いや、それがまた辛かったのかもしれない。


僕はぐっちゃんと山口くんを連れて体育館を抜け出した。