その時、予想外の出来事が起こる。


「3年生、降りてこい。」


顧問の麻生先生が呼び掛ける。麻生先生はバスケ経験がない。顧問としているだけ。お飾りみたいなものだ。


コートに降りるとコーチが叫ぶ。


「もう1試合するぞ。お前らと二年生ででろ。」

千載一遇のチャンス。まさに地獄に垂れた蜘蛛の糸。

「ここで活躍すればまだ…!」


口に出さなくてもみんなの気持ちは同じだった。

前の試合で活躍した二年生の汗でびしょびしょのユニフォームを渡される。屈辱よりも希望が上回る。
時間がないため上がユニフォーム、ズボンが体操服という最悪な格好。それでも恥ずかしも気合いでかきけされた。


「やるんだ。活躍。声だす。点。とる!」