「行ってらっしゃい。」



「え?」



「柚が必要とされてるんだから行かないとね。」



「お母さん!怪し過ぎるよ!
絶対騙されてるよ、柚!」



「そうだよ、母さん!
父さんも言ってやってよ!」



「ん?俺もお母さんと同じ
意見だよ。」



「お母さん、お父さん
ありがとう。」



「なんで二人とも了承しちゃうわけ?!」



お姉ちゃんとお兄ちゃんが
すごく怒ってる。



私の事、心配してくれてるんだよね、ごめんね。



そんな双子にお母さんが
口を開いた。



「あのね、人から必要と
されることは、必ずあるの。
それは、自分じゃなきゃできないからよ。
きっと凄く大変だけど、
もし断って事態が大変に
なったら、ずっと後悔する。
それに、騙されてないわ。
お母さんは知ってるから。
必ず二人にも誰かから必要と
されることが起こるの。
柚はそれが今なの。」



・・・知ってる?
どういうことなんだろう?



「だから柚。しっかり
頑張ってきなさい。
学校には適当にごまかして
おいてあげる。」



お姉ちゃんとお兄ちゃんは
もう何も言わない。

ごめんね、ありがとう。



「うん、私がんばるね!」



「さあ、特上寿司で柚の
応援会するわよ!」



そう言ったお母さんに
皆がテーブルに集まる。





みんな、ありがとう。