――そんな切ない日々を 思い返していると 入学式も終盤へと 差し掛かっていた。 もうすぐ式が終わる、と 小さく息を吐いた時…… 体育館の後ろにある 錆び付いた扉が、 静まり返った静寂を破るかのように 大きな音を立てて開いた。 …え、あの人………誰?