――それは私にとって
 すごく切ない現実だった。


 だけど、明里達の協力で
 メアドを交換して
 メールをするようになり、
 学校で会えば、会話をしたり
 たまにみんなで遊んだり…

 私達に残された半年間は、
 すごくすごく楽しかった。
 それと同時に、とても苦しかった。

 傍にいるのに触れられない。
 自分の想いを口にすることも
 できない。抱き締められたい
 衝動に駆られるたびに、
 自分の気持ちをぐっと
 抑えてつけてきた。だけど、
 陽介先輩が私に向けてくれる
 大好きな笑顔を失いたくは
 なかったから、私は必死に
 耐えたんだ。

 想いを告げられないのなら
 陽介先輩の卒業は笑顔で見送ろう
 と思った。それが私なりの
 最後の決断だったからだ。