「美緒ちゃんか~っ!」
 「…はいっ」


 相槌だけを打って、
 私は次の陽介先輩の発言を待った。
 すると陽介先輩は、
 くしゃくしゃっと私の頭を撫でると
 先ほどと同じへにゃっとした
 笑顔を見せた。


 「そんじゃまたね!美緒ちゃんっ」


 そう言って陽介先輩達は、
 ひらひらと手を振り
 楽しそうに話をしながら、
 さっき私が通って来た廊下を
 歩いていった。

 そんな陽介先輩との出会いから、
 なんとなく目が離せなくて
 いつの間にか惹かれていった。

 高校に入学して半年が経つ頃には、
 自分の抱いてる陽介先輩への感情が
 恋以外の何物でもないことが
 分かって、素直に自分の気持ちを
 受け入れたと同時に、陽介先輩と
 一緒に生活できる時間は
 半年しかないことに気付いた。