目は充血して、飛び出そうなほどだった。これはまるで、般若の面だ。そう思った。般若の面をつけて白峰が遊んでいる。
 これは遊びなのだろうか。いつの間にこんな歌が出来たのだろう。それを考えていると、子供達が沖の服の裾をつかんだ。
「白峰に食われちゃうんやね」
 そう言う子供は本当に嬉しそうだ。
 何が何だかわからなくなってくる。不思議な違和感。子供達は白峰のことを、ちゃんと白峰と呼んでいる。