こだまする太鼓のような音をたてて咲く、きらびやかな光の花は、思い出に変わるともの悲しさを感じてしまう。
ほんの束の間しか咲けない、儚い華やぎだからなのか。
太陽照らす畦道。スイカ、ラムネ、蝉の鳴き声。
二人の過ごす、どこか懐かしい夏の日々は、そこに終わりがあることが分かるからこそ、愛おしくて悲しい。
一日でも長く、できれば、少しでも多く、思い出を紡ぐことができたら。
せめて、夜空の花のように心に光る思い出を。
そう願いながら読みました。
主人公の語り口がす、と世界に引き込んでくれて、ひと時、夏休みを体験させてくれます。
誰もが出会ったかもしれない、大切な友達に会えますよ。