「誰かの妹でそんな名前の子がいたとか、覚えてない?」


「いやー、私もたいがい物覚えが悪いからねー」


はっはっはと笑いながらキリ姉があっけらかんと答えた。


「で、その子がどうかしたの?」


「いや最近、その子に懐かれちゃって。毎日遊んでるんだよ」


「へぇ、モテモテじゃない」


残念ながら小学生にモテても仕方がないっていうかなんつーか。


「ま、いいじゃん。遊んであげたら?」


「むしろ遊ばれてるよ」


「変わらないね、アンタも」


ひひひ、と意地悪く笑いながら、手持ち花火に火をつけ、アリを追いかけるキリ姉。

いや、あなたも全然変わってませんよね。