「まー、キリ姉の本性知ってたら誰も近寄らないしな」


安心した勢いでついそんなことを言ってみると、「あぁん?」と、母に聞こえない声でキリ姉に静かにすごまれ、思わずびくっとなる。

しまった、口が勝手に。


「そんなことないでしょ、この子ったら変なこと言って。
あ、そうだスイカ冷やしてあったんだ、ちょっと切ってくるね」


そう言って席を外す母。

母が台所に向かうのを見送った次の瞬間、こちらを見て笑うキリ姉。