「お前くらいの頃には色々と大きく見えたもんだけどさ、意外と大したことないよ」


「そういうもの?」


「そういうもの」


まぁ、言ってもわかんないだろうけど。


「そっか。でも」


耳元で紫が呟く。


「悠君は、もうしばらくは足元もちゃんと見ていてね」


変なこと言うヤツだな、と思いながら、俺ははいはいと頷いた。