「悠君ちっからもちー」


「お前が軽いんだよ、ちゃんと飯食ってんのか?」


「食べてますー」


どこかふわふわした声で紫が笑う。


おいおい背中で寝ちまわないだろうな。


「おんぶって面白いね、世界が高くなる」


「なんだ、これも初めてか?」


「うん、初めて」


「色々と不憫だなぁ」


「そうかな?」


「そうだろ」


「そんなことないよ。幸せって人それぞれじゃない?」


「そうか?」


「だって私は悠君みたいに街の生活知らないけど、でも幸せだよ?」