手を振っていた子供は、しかし他の子供が先を急ぐのに連れられるように一緒に歩き出していた。

ちらちらとこちらを伺いながらも、結局そのまま行ってしまう。


「あいつ、絶対お前のこと好きだぞ」


軽くイタズラ心が涌き、そんなことを言ってみると、紫は一瞬バカにしたような目でこちらを見た後、


「子供にキョーミないし」


とか言ってみせる。

いやいやいやいや。


「何言ってんだよ、お前も子供じゃん」


ちょっと頭いいとこういう風になっちゃうんだよなぁ、いたよ俺がガキの頃にもこういうマセたヤツが。