ケータイの奪い合いで遊んでいると、わいわいと地元の子供達の一団が駄菓子屋にやってきた。

えらくさびれてる駄菓子屋だなんて思ってたけど、こうしてちゃんと子供は来るもんだな。


「お前、あの中に友達とかいないの?」


狭い田舎だから知ってるやついそうだけど、と話を振ってみると、紫は少し難しい顔をしている。


「うーん、私、存在薄いからなぁ」


「え、ごめん何言ってるか聞こえなかったわ」


「絶対聞こえてるでしょ」