ラムネに塗れた手がべたべたする。うぇ、やっちまった。

指についたラムネを舌で舐めとった後、ようやく本体に口をつけた。

こんなことなら別のにしとくんだったかな、なんてちょっと後悔しかけたが、炭酸が喉を通っていく感覚が気持ちよくて、すぐにその後悔を忘れる。


「あー、夏の味がすんなー」


「どんな味よ」


「ラムネ味」


「まんまじゃん」


くすくすと紫が笑う。

無邪気に笑ってる時はそれなりに可愛いのになぁ。

どうしてコイツはあんなにイヤな笑い方を得意としているんだか。