「開けらんないの?」


紫がにやりと笑いながら尋ねてくる。

このいやらしい笑い方が憎らしい。


「開けられるっつー、の!」


俺はとにかくうろ覚えでラムネのフタを無理矢理開けようと試みる。

しゅぽん! といい音がしたかと思うと、途端炭酸が逆流を始め、あれよあれよと俺の手を濡らしていく。


「う、うぉ!? こぼれ、こぼれる!」


「悠君、へったくそ」


「うっさい、このフタがそもそも不親切なんだよ」