「はは、今はさすがに落ち着いてますよ」


とかなんとか笑いながら俺は財布からラムネ二本分の小銭を置いてそそくさと帰ろうとする。


「あんた一人でラムネ二本飲むのかい、まぁ今日は暑いもんねぇ」


一人で飲むわけないだろ、ここにいるクソガキが、と後ろを振り向くと紫の姿がなかった。

自分からせがんどいて会計は全部俺任せとか、失礼なヤツだな。


挨拶もそこそこに会計を済ませてガラス戸を開けると、外のベンチに紫が座っているのを見つけた。

この暑いのによく外で待ってられるな。

相変わらず汗一つかいていない。

一体どんな体の造りしてやがんだ。