「あら、珍しいお客さんだこと」


それは俺が見ない顔だからってことか、それとも客自体が来るのが珍しいということか。


「悠君だろ? おっきくなったねぇ、今年は帰ってきてたんだねぇ」


おばちゃんは俺のことを覚えていたらしい。

何年も顔を見せていなかったのによく覚えているな。

いや、よく見分けがついたな。すげぇ。


「よく覚えてますね」


「そりゃもう。あんたは大人しかったクセに突然無茶なことしてたもんだからハラハラしたもんだよ」


まさかの不意打ち。

やばい、恥ずかしい。

あんまり覚えていないとは言え、一体どんな話を出されるか分かったもんじゃない。