「すんませーん」


立て付けの悪いガラス戸を開けて中に入り、声をかけてみた。

店内はしんと静まり返っている。


埃がそこらに舞っている、古臭い匂い。

仕入先はどこなのだろうと思わず首を傾げてしまうような、合成着色料ぎとぎとの駄菓子の山。


店内はそんなものに占拠されていて狭いが、かろうじてレジの奥に廊下が続いているのが見える。

ワイドショーか何かの笑い声が聞こえるから誰かしらはいるのだろう。