「もしかしてまだ泳げないの?」


「何故それを!」


「あ、そうなんだ」


紫の反応にしまった、と思う。

……カマかけられたのか、俺。

くそう、こんな子供に。


「大丈夫だよ、浅いよ?」


「わかってるっつーの」


ただ濡れるのが面倒なだけだよ、と心の中で言い訳。

っと、濡れると言えば、いかん忘れてた。


「あ、そうだ。ケータイ濡らすなよ?」


「え? なんで?」


ぱちくりとかわいらしくまばたきをしている紫。

あぶね、気付いてよかった。