「六年振りだしなぁ」
呟いた声は、セミの叫びにかき消される。
おーおー、活きが良いですこと。
まだ子供だった頃は、俺だってそりゃあのセミどもに負けないくらい元気に外ではしゃいだものだが、さすがにもういい若者だ。
虫取りにはもう興味が涌かない。
今月には自動車免許も取れるような人間が、虫網を振り回していたらさぞ不気味だろう。
「そういえば、お隣のキリちゃんも今年帰ってくるらしいわよ」
扇風機の前でだれていた母がそんなことを言うので、思わず「マジ?」と反応する。
「いつ?」
「さぁ」
……ダメじゃん。
できれば今日がいいんですけど。
むしろ今すぐでもいいんですけど。
懐かしい名前を聞いてテンションが上がったのも一瞬だった。
ヒマだ。
かといって夏休みの課題に手を出す気にはならない。
呟いた声は、セミの叫びにかき消される。
おーおー、活きが良いですこと。
まだ子供だった頃は、俺だってそりゃあのセミどもに負けないくらい元気に外ではしゃいだものだが、さすがにもういい若者だ。
虫取りにはもう興味が涌かない。
今月には自動車免許も取れるような人間が、虫網を振り回していたらさぞ不気味だろう。
「そういえば、お隣のキリちゃんも今年帰ってくるらしいわよ」
扇風機の前でだれていた母がそんなことを言うので、思わず「マジ?」と反応する。
「いつ?」
「さぁ」
……ダメじゃん。
できれば今日がいいんですけど。
むしろ今すぐでもいいんですけど。
懐かしい名前を聞いてテンションが上がったのも一瞬だった。
ヒマだ。
かといって夏休みの課題に手を出す気にはならない。