カナカナカナ、と遠くヒグラシの声が聞こえる。 ってことはもう夕方か? いや随分と昼寝しちまったなぁ、なんて思いかけて、顔がじんじん痛いのに気付く。 「いってぇ……」 顔をさすりながら目を開けると、眼前に心配そうに自分を見つめる少女の顔があった。 「あ、気がついた!」 よかったぁ、と少女が胸を撫で下ろす。 「死んじゃったかと……」 「勝手に殺すな……しかもそれじゃ、お前が殺人犯だろ」