「そうなんだ、偶然ね。私も同じ名前なの」


言われてあたしは嬉しくなる。

名前が同じ子に会ったのは初めてだ。

なんだかくすぐったい感じだけど、ちょっと嬉しい。


「じゃあ、忘れないね!」


「そうだね」


二人で顔を見合わせてえへへと笑う。



「こっちよ」と誘われるまま、あたしはゆかりちゃんについて、庭を出た。

退屈な夏休みになりそうって思ってたけど、これから楽しくなりそう、なんてうきうきしながら、あたしはゆかりちゃんを追いかけていく。