「ケータイも通じないしー」


タッチパネルのケータイを開いてぼんやり眺める。

圏外。今時圏外って!

はぁ、ため息しか出てこないわ。


「こんにちは」


突然声がしたので、あたしはびっくりして庭の方を見た。

そこには、あたしと同い年か、もしかしたらもう少し年上な感じの女の子が立っていた。

田舎の子にしては全然日焼けしてなくて真っ白な子。

そのせいか、妙に大人びて見える。

なんだか、ちぐはぐな子。